ジェラートでキラキラ輝く日々を「塚島ファーム」

2025年10月23日 公開

直売 鹿島市

牛たちと向き合い 寄り添う酪農

昭和43年から2代続く塚島ファーム。乳牛3頭の飼育から始まり、一時は100頭ほどにまでその数はのぼりました。今では約40頭が、1頭1頭大切に育てられています。

Photo:塚島ファーム

家族3人体制で酪農に従事。9時半の出荷に間に合うように朝から搾乳し、12時間の間隔を空けて晩にも搾乳しています。牛は人が搾ってあげないと乳が溜まり、乳房炎などの病気になるおそれもあるため、毎日2回の搾乳が欠かせません。

「牛乳は共同出荷。学校給食でも飲まれ、子どもたちの健康を支えています。大変ですが、大切な仕事です」と塚島さん。鹿島市で唯一の酪農家として、牛たちの健康に気を配りながら、誇りを持って日々牛たちと向き合っています。

Photo:塚島ファーム

牛と自然が育む 循環型酪農

毎日牛乳を分けてくれる牛たちに心地よく過ごしてほしい。その願いこそが、塚島ファームの酪農の基本です。

Photo:塚島ファーム

できるだけ快適な環境を整えようと、牛たちが自由に歩き回れる「フリーストール牛舎」を採用。飼料用の牧草や米なども自ら栽培するほか、牛ふんともみ殻を配合した肥料「有希望(ゆうきぼう)」も独自に開発し、より良い土づくりに生かしています。

Photo:塚島ファーム

こうした牛の排泄物を資源として活用する「循環型」の酪農は、近年の輸入飼料価格の高騰やSDGsの観点から、さらに注目されるようになりました。長年続けてきた塚島ファームでも一層力を入れ、こだわり抜いた酪農スタイルに磨きをかけていくそうです。

鹿島で始まった 新たな暮らし

関東出身で、高校時代は大分県で過ごした信子さん。幼稚園教諭や看護助手として働くなど、酪農とは縁遠い生活を送っていました。

信子さんは24歳で塚島ファーム代表の隆弘さんと結婚し、鹿島市へ移住。環境が大きく変わったことで、最初は戸惑いもあったそうです。信子さんは「義両親の話を聞いたり、トラクターの免許を取って作業をしたりするうちに、酪農の仕事を誇りに思うようになりました。牛たちも丁寧にお世話をすると、それに応えてくれるようにおいしい牛乳をたくさん分けてくれるんですよ」とほほえみます。

Photo:塚島ファーム

家業の酪農を支えながら飼料づくりのための農業も学び、県内の女性農家が集まる「カチカチ農楽(のら)が〜る」のメンバーとしても活動。仲間と情報交換をしたり、イベントやマルシェを開いたりしてつながりを広げ、交流を深めてきました。

Photo:塚島ファーム

こうして充実した日々を過ごす中で「手塩にかけて育てている私たちの牛の牛乳を、直接味わってもらいたい」と強く思うように。そこで、長年温めていた思いを形にするべく、6次化に動き出すことを決めました。

ステラジェラートに願いを込めて

信子さんがずっとつくりたかったのは、塚島ファームの牛乳を思う存分味わえるジェラート。県内外問わず各地の酪農家を訪ねてアドバイスをもらい、試作品ができた際には試食会を開いてアンケートを取りました。

Photo:塚島ファーム

商品名は「ステラジェラート」。ジェラートの故郷・イタリア語で「星」を意味する「ステラ」には、夜空の星のようなキラキラした毎日と、輝く笑顔でいっぱいになってほしいという願いが込められています。

Photo:塚島ファーム

パッケージデザインは、信子さんの思いを形にできるよう、地元の印刷会社と二人三脚で考案。「女性が手みやげに持って行きやすい、かわいらしいデザインを目指しました」と、味ごとに色を変え、星形にキラリと型抜き。随所に素敵な工夫が凝らされています。

製造・企画・販売、さらには営業まで一手に担って試行を重ね、2015年4月に販売をスタート。念願だった「塚島ファームの牛乳を味わうジェラート」が、ついに形になりました。

Photo:塚島ファーム

10年で広げたジェラートの輪

売り出し始めてまもなくは、数々の商談会に参加。全国各地へ営業に回り、ステラジェラートの魅力を広めていきました。「その間は家を空けることになるので、酪農家が休みを取る際に代わりに作業をしてくれる“酪農ヘルパー”の方を頼りながら、とにかく一生懸命営業していました」と、当時を振り返ります。

Photo:塚島ファーム

県内でも鹿島市はもちろん、嬉野市や佐賀市など、各地を訪問。現在では県内を中心とした道の駅などで販売し、最近は「うちで販売しませんか?」と店舗から声がかかることも増えてきたそうです。

さらに、コロナ禍で移動が困難になった際、娘さんの協力を得てホームページを開設。オンラインショップも兼ね備え、遠方からも購入できるようになりました。

「ステラジェラート」の魅力を伝え、着実に販路を広げてきた10年。信子さんは「おかげさまで販売のお声がけや追加のご注文も増え、ジェラート製造も忙しくなってきました。生産した牛乳を直接味わっていただける機会が増えてうれしいです」と声を弾ませます。

佐賀の恵みをたっぷり味わう

塚島ファーム自慢の牛乳を心ゆくまで楽しめる「ステラジェラート」は現在、ミルク、いちご、抹茶、きなこの4つの味を展開。どれも佐賀県産の食材を贅沢に使用しています。

Photo(右):塚島ファーム

ミルクは塚島ファームのしぼりたて生乳、いちごは鹿島市の農家さんが育てたもの、抹茶はお茶どころ・嬉野市から、きなこは小城市の大豆専門店が扱う県産のもの。信子さんはこれら全ての味を確かめ、選び抜いてジェラートに練り込んでいます。

牛乳本来のおいしさをしっかり引き出すため、卵は不使用。口当たりは濃厚で香り豊かながら後味はさっぱりとしている、濃い甘みと爽やかさを兼ね備えた味わいです。

Photo:塚島ファーム

牛と家族と歩む未来

多くのファンが買い求めるようになった今、信子さんは次なる夢を抱いています。「出来立てのジェラートを食べていただきたいので、カフェのような対面販売のお店もやってみたいです。他にも野菜のジェラートなど、新たな味も出せたらいいなと思っています」と、新たな展開も考案中です。

さまざまな広がりを見せる中でも、一番大切にしているのは牛たち。丁寧に酪農を営み、その恵みに日々感謝しています。

Photo:塚島ファーム

「ジェラートは私たちの牛乳のおいしさを伝える手段のひとつ。でもまずは、毎日の酪農をしっかり続けることが大前提です。その両立ができているのも、家族の支えがあってこそ。これからも助け合いながら発展させていきたいですね」と信子さんは、牛たちと家族への感謝を胸に、これからも塚島ファームの明るい未来を描いていきます。

Photo(左):塚島ファーム

まとめ

毎日牛たちに寄り添い、家族みんなで支え合いながら、丁寧な酪農とジェラートづくりを続ける塚島ファーム。しぼりたての生乳をたっぷり使った自慢の「ステラジェラート」はひと口ごとに素材のおいしさを感じられ、食べるたびに笑顔になれる味わいです。手みやげに、自分へのごほうびに、かわいらしいパッケージとともにお楽しみください。

スタッフさんに聞いてみた!

どうやってジェラートをつくっていますか?

塚島信子さん

専用の加工場で、一つ一つ丁寧に手づくりしています!

塚島信子さん

どこで商品を買えますか?

塚島信子さん

鹿島市の海道(みち)しるべ、道の駅かしま、肥前めっけもん市、その他県内各地の道の駅などでご購入いただけます。公式オンラインショップでは6個入り、8個入り、12個入りをご用意しているので、ぜひお買い求めください。

塚島信子さん

おいしい食べ方を教えてください

すぐに食べてもおいしいのですが、しばらく常温に置いて少し溶かすと、ジェラートらしいもっちりとした食感を楽しめます。

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