牛乳×コーヒーの新定番!
コーヒーの新しい楽しみ方「ミルクブリューコーヒー」をご存知ですか?これは、水出しコーヒーのように冷たい牛乳で抽出するドリンク。コーヒーの味わいと共に広がるフルーティな香り‥コーヒーが持つ果実味のフレーバーが、より豊かに表現されるとトレンドに敏感な人たちの間で注目を集めています。その仕掛け人が酪農家の中島大貴さん。もともと コーヒー に興味があり、福岡で名高い「MANLY COFFEE」のコーヒー豆を、搾りたての牛乳に浸して飲んでみたところ、予想を超える“味わい”に出会ったといいます。「酪農家の私にとって牛乳は水のようなものです。“水出しコーヒー”の感覚で“ミルク出しコーヒー”を試したところイチゴミルクの味を感じ、衝撃を受けました。」搾りたての牛乳はにおいがなく爽やかな味。その新鮮な牛乳と「MANLY COFFEE」の厳選したコーヒー豆が出会ったことで“新しい味”ができました。それぞれが互いの良さを引き出し、相乗効果が生まれています。
牛乳とコーヒーの組み合わせは珍しくありませんが、実際に飲んでみると想像した味とは全く違い、きっと驚きがあるはず。この特別な味を届ける場所として2021年8月に「MILKBREW COFFEE(ミルクブリューコーヒー)」という名のカフェがオープン。“ここでしか味わえないおいしさ”を求めて県内外からたくさんの方が訪れています。
ベースにある“搾りたてのおいしさ”
「MILKBREW COFFEE(ミルクブリューコーヒー)」のカフェは昔ながらの町家が建ち並ぶ嬉野市塩田町の塩田津の一角にあります。店舗は、かつて銀行として使われていた築160年の蔵を活用。壁や天井の屋根組はそのまま活かし、カウンターやディスプレイには白い人工大理石を用いてモダンなデザインが施されています。
このシンプルで洗練された雰囲気が「ミルクブリューコーヒー」をより一層おいしくさせます。そのほか、「スペシャルティミルク」と名付けた牛乳や、牛乳本来の味が楽しめるカフェラテ、ソフトクリームも味わうことができます。そのすべてに「ナカシマファーム」の“搾りたて”の牛乳が使われています。
「ナカシマファーム」は“チーズづくり”でも有名です。
中でも「BROWN CHEESE(ブラウンチーズ)」は、チーズの製造時に出る「ホエイ」という副産物を活用してつくるもので2018年に日本で初めて製品化し、その名を全国的に広めるきっかけとなりました。砂糖を使っていませんが、ほんのりとした甘みと濃厚なコクがあります。このチーズは「Japan Cheese Award2018」で金賞と部門最優秀賞を受賞し、チーズの世界大会である「World Cheese Awards2019」ではブロンズ(銅賞)に輝きました。その「BROWNCHEESE」を使った濃厚で優しい甘さのチーズケーキも人気を集めています。
ご自宅で「ミルクブリューコーヒー」を楽しみたい方にはコーヒーバッグも販売されています。牛乳によって味が変わるので“牛乳選び”が楽しくなりそう。美味しくて栄養価も高い牛乳を飲むきっかけにしてみられるのも良いかもしれません。
あらゆるものを“循環”させて活かす
「ナカシマファーム」の牧場は、佐賀県嬉野市塩田町の集落の中にあり約85頭の牛たちがのんびりと過ごしています。
おいしい牛乳をつくるためには“におい”の対策が不可欠。そこで中島さんは、牧場の中で多様な微生物が共存できる環境をつくり、”におい“に繋がる特定の菌の増殖を防いでいるそうです。牧場の中に、堆肥舎もありますが”におい“があまり気になりません。これは多様な微生物が共存している証です。
堆肥は牧場の近くにある水田に還元し、肥料として”循環“させ、カフェの紙カップ、プラカップ、ストローは生分解性のものを使用し堆肥に活かしています。さらに、カフェで出る、“コーヒー抽出後の粉”も同様に。「持続可能な社会」という言葉がまだあまり知られていないころから、粛々とすすめられていたこの循環の仕組み。佐賀の若き酪農家は、次の時代を見ています。