自然豊かな神埼市脊振町の山中で採卵養鶏を営む本間農園。同町に移住した本間昭久さん（栃木県出身）と妻の綾さん（長崎県壱岐市出身）が自然の恵みを循環させる自然養鶏法で、安全安心の卵を育てています。

綾さんが〝娘たち〟と呼び家族の一員として愛情を注ぐ鶏は、成長に合わせて玄米や緑草、地元で調達した無農薬野菜、米ぬかやおからなどを独自にブレンドしたエサを食べて育ちます。着色添加物や抗生物質などの薬剤は一切使用していません。平飼いの鶏舎で太陽の光を浴びて駆け回り、脊振山系から湧き出る清水を飲み、快適な環境で成長していきます。

元気に育った鶏が産む卵は、黄身はレモンイエローで弾力性があり、白身はハリがあり、卵特有の臭みもなくて「おいしい」と評判です。

ほんまの小窓「本間農園」直売所では、新鮮卵のほか「卵のおいしさを最大限に引き出して、生産者だからこそできる逸品を」と綾さんが試行錯誤して作ったスイーツを販売しています。綾さんが「卵の量は半端ないですよ」という「おひさまプリン」は新鮮卵と脊振のミルン牧場のノンホモ牛乳、きび砂糖だけを使った素朴で優しい味わい。卵本来の味を楽しめるようにカラメルソースは入っていません。喉とおりが滑らかで滋養によく、病気見舞の品にする人もいるとか。

「おひさまケーキ」や季節のスイーツもあります。脊振の自然を感じながら召し上がってください。

弥生時代を体感できる「吉野ヶ里歴史公園」の近く、のどかな田園風景の中、産直市場「吉野麦米」敷地内にいちご狩りが楽しめる「吉野berry」があります。

縦45ｍ、横57.6mの超ビッグなハウスに84レーン、約3万5千株のいちごがずら～り!!上品な香りがする「かおり野」、甘味が強い「ベリーポップすず」、香りがよく、果肉がしっかりしている「よつぼし」、甘み・旨み・香りと3拍子そろった「恋みのり」の4種類のいちごが、40分間食べ放題です。

いちご栽培の設備は、レーンが上下に可動するハンギング式（吊り下げ式）。スペインから取り寄せた最新式です。各レーンの高さが摘みやすい位置に調整されているので立ったままらくらくいちご狩り!!地面には障害物がなくレーンの間も広いので車いすの方も、ベビーカーも安心して入場できます。

岡村園長によると「いちごはヘタの上部からお尻まで果実もタネ(いちごのつぶつぶ)も全体が赤くなって弾けそうなものが食べ頃のサイン。完熟して一番おいしいとき」だそう。さらに「摘みたてのいちごは甘くてジューシー。完熟の本当のおいしさを味わってください」と来場を呼び掛けます。

ドッグランや産直市場「吉野麦米」も併設していますから、家族や仲間たちと一日中、楽しむことができます。

「えこびと」は九州産くすのきを使ったアロマブランド「KUSU　HANDMADE」の直営店です。「癒やしの時間を提供し、お客さまに楽しんでもらおう」と2015年にオープン。店内は木の香りと温もりに包まれて、「ほっ」と気持ちが安らぐ空間が広がっています。

カフェスペースでは、土づくりにこだわり、農薬や化学肥料を一切使わない自社農園「えこびと農園」で栽培した「えごま葉」や、えごまの種子から搾った「えごま油」、えごま油の搾りかすや茎葉を食べて育った鶏が産む栄養価の高い「えごまたまご」、地元の新鮮なオーガニック野菜をふんだんに使ったランチが味わえます。見た目も美しく、体に優しくておいしい料理を居心地の良い店内で召し上がれ!!お持ち帰り用にDeLi（惣菜）やお弁当もどうぞ。

店内の一角にあるプリン専門店「Egg＆Bake ecobito」では、えごまたまごときび砂糖などを使った優しい味わいのプリンを１つずつ丁寧に手作りしています。「懐かしのレトロプリン」、口当たりがとろとろの「純生プリン」など約13種類の個性的なプリンが勢ぞろい!!健康志向の方にもぴったりのプリンです。

そのほかKUSU　HANDMADEの雑貨、自社農園や提携する農園で取れた「えごま油」、「えごま農家が作った生はちみつ」、「えごまドレッシング」などお土産としても魅力的な商品が並んでいます。ランチを待つ間、いろいろチェックしてみてください。

みやき町で乳牛と肉牛の肥育を行っている大富牧場。「自分たちが生産した生乳で何かオリジナル品ができないか」「地域とつながるきっかけになれば」と始めたのが、小さな窓が目印の加工販売所「FLYING COW」です。自家産生乳は、搾りたてに近い味わいを残すために低温殺菌にして使用。添加物は一切使用せず県産の卵ときび砂糖だけを加え、酪農家が作るシンプルな味わいのプリンに仕上げました。ネーミングは「牧場プリン3（さん）」。「夫が牧場の３代目、試行錯誤して完成まで3年、材料が3つと、共通する3を名前に入れました」と店主の大富藍子さん。プリンは作った当初はフレッシュ感が強く、日ごとに熟成が進み、濃厚さとまろやかさが際立っていくそうです。店休日には敷地内の自販機で購入することができます。

2022年夏、自家産生乳100％のソフトクリームが登場。生クリームなどを使用しないため、濃厚さはありつつも後味がさっぱりとしたソフトクリームです。「乳牛も暑い時と寒い時では水を飲む量が変わります。当然、生乳の濃さも違うんですよ。だからソフトクリームも季節で味が変わります」と話す大富さん。季節のフルーツとソフトクリームを使った「農村の果実パフェ」や高さ約20cmのソフトクリームが乗った「プリンソフト」はインスタ映えするオススメのひと品!!暖かい日はぜひテラス席で味わってみてください。

佐賀と福岡を結ぶ「東脊振トンネル」に向かって国道385号線の山道を進むと、標高322mの山間地にポツンと立つ「道の駅吉野ヶ里さざんか千坊館」。周辺は国の天然記念物に指定された千石山サザンカ自生北限地で、約2000本のサザンカが10月～11月頃に見頃を迎えます。

館内に入るとすぐに「森のパン屋　せふりの」から焼き立ての香ばしいパンの香りが漂ってきます。人気は「パン・ド・カンパーニュ」。フランス産小麦と神埼産小麦「シロガネコムギ」をブレンドした生地を中はふわっと外はパリッと焼き上げています。

農産物直売所には生産者が丹精込めて作った旬の新鮮野菜やジャンボにんにくで知られる吉野ヶ里町産「吉野ガーリック」のほか、さしみこんにゃくなどの加工品、ジビエなどが所狭しと並んでいます。吉野ヶ里町は臨済宗の開祖・栄西がお茶の栽培を伝えた日本最初の茶栽培地と言われています。持永館長が「今では作る人が減りました」という釜炒り茶「栄西茶」も手に入れることができます。

別館には厳選した果物でスイーツを作る人気店「果実工房　新SUN吉野ヶ里店」があります。脊振山系から湧き出る天然水を使ったジュレはスイーツ好きには見逃せないおいしさ。佐賀平野や遠く有明海を望む大パノラマを店舗２階や、館外の展望所から眺めながら、美しい眺望と季節の果実が入ったジュレを満喫してください。