完熟南高梅から広がる農の営み「たのしい農家 お百笑さん」

2026年02月05日 公開

飲食 武雄市

ご両親の愛した農業を受け継ぐ

武雄市若木町の山中で、南高梅の栽培と加工を営む「たのしい農家 お百笑さん」。完熟した梅を贅沢に使用する加工品のほか、農カフェ「百笑茶屋」でのランチやスイーツも人気です。

代表の大古場さんの家は代々農家で、父・逸男さんが受け継ぎ、母・キヨさんとともに農業に勤しんでいました。ご両親の代でミカン畑だった土地を梅園に再整備し、納得できる味になるようひたすら追究。10年もの年月を経て、南高梅らしい風味をつくり出すことが叶いました。

Photo:お百笑さん

そんなご両親の姿を見て育った大古場さんは、高校卒業と同時に家を出て、会社員として勤務。一時は農業から離れた暮らしを送りました。「苦労を知っていたので、農業はしないつもりでした。でも、子育てを始めると、豊かな自然がここにあること自体が貴重で、大切な財産だと気付いたんです。そこで2010年に家へ戻ってからは、本腰を入れて農業をしなければ、と決意しました」と大古場さん。その翌年には法人化し、家業を受け継ぎました。

屋号はキヨさんの口癖だった「死ぬまで笑って百姓がしたい」という言葉からとったもの。法人化した年にキヨさんが、その翌年には逸男さんが亡くなられましたが、大古場さんはその思いを受け継ぎ、ご両親が大切にしてきた農業と向き合いながら日々を歩んでいます。

芳潤な甘みにじっくり育てる

青いうちに収穫されて流通することが多い梅ですが、お百笑さんでは地面に敷いたネットに梅が自然に落ちるのを待ち、一つ一つ拾い上げます。木の上でじっくりと熟すことで、果肉はやわらかく、角の取れた酸味とやさしい甘みが調和した実に育つそうです。

Photo:お百笑さん

完熟を待つ収穫方法では、天気や気温など、自然環境を考慮することが特に欠かせません。細やかに気を配りながら状態を確かめることで、梅の育ちぶりを見極めています。

Photo:お百笑さん

「自然に合わせて育てているので、難しさもあります。いつ落ちるかは毎年違いますし、人の都合では進みません。でも、それが農業だと思っています」と大古場さん。収穫期だけではなく、剪定や草刈り、獣害対策など、自然と向き合いながらおいしい完熟南高梅を育てています。

Photo:お百笑さん

完熟梅をおうちでも楽しむ

お百笑さんでは、ご両親の代である2004年から 完熟南高梅を使った加工品づくりを続けています。ジュレやジャム、ドレッシングなど種類も豊富。それぞれ梅の状態に合わせた独自の方法で、丁寧につくられます。

中でも人気なのは梅みそ。マヨネーズを合わせたものも好評で、1人で10本購入される方もいらっしゃるそうです。

さらに、毎年期間限定で梅仕込み教室も開催。参加者自身が梅干し、梅ジャム、梅みそ、梅酒、梅ジュース、紅梅漬けの6種類の中から好きなものを仕込むことができます。

大古場さんは「それぞれがつくりたいものを個人レッスン形式で教えながら、梅についての知識や農業の話もしています。梅談義をしながら進めるのは楽しいですし、失敗なくつくれると喜んでいただけるんです」と笑顔。加工品をつくる楽しみを体験すると同時に、梅や農業の楽しさも学べると好評で、2025年には23回目の開催を迎えました。

Photo:お百笑さん

長年の経験で培った方法で、南高梅の味わいを生かした加工品づくりと教室。完熟梅の魅力を直に感じられる場として、多くの方に喜ばれています。

百笑茶屋で味わう、梅と旬の恵み

農園に足を運んでくれた方が食事をその場で楽しめるよう、2017年に「百笑茶屋」が誕生。大古場さんが自らメニューを考案し、調理まで担います。

ランチには、卵かけごはんやハンバーグのセットのほか、地元の食材をふんだんに使った月替わりのメニューを用意。若楠ポークのせいろ蒸しやとり飯、秋には栗おこわなど、旬の恵みを生かした料理が登場します。ごはんは土鍋で炊き上げ、ツヤツヤに粒立ったお米のやさしい甘みを楽しめると好評です。

Photo:お百笑さん

梅ドレッシングをソースに使ったハンバーグや、梅ジュレのヨーグルト、梅みつを添えた最中など、販売している加工品も料理に取り入れて提供。その場で味わい、気に入ったものを購入していく方も多いそうです。

Photo:お百笑さん

自然の中で味わう料理は、日々の農作業や季節の巡りを感じさせるきっかけの一つにも。訪れた人にとって心に残る時間を提供しています。

動物たちと楽しむ農園時間

料理の準備や提供の待ち時間も、百笑茶屋では楽しい時間に早変わり。訪れた人に楽しんでもらえるような工夫が、随所に施されています。その一つが、農園で暮らす動物たちです。

ニワトリは「アローカナ」という種類で、青い有精卵を生みます。かわいいポニーは草を食べることで畑の除草も担当。さらに、幸運の使いともいわれる白孔雀も飼われており、羽を広げるのをじっと眺めて待つお子さんも多いそうです。

Photo:お百笑さん

調理の際に出る食材の切れ端や残り物は、動物の餌として活用。「今ではよく聞く循環型農業の考え方ですね。動物たちにはおもてなしもしてもらって、とっても助かっています」と大古場さん。動物と食、畑をつなぐ仕組みは、訪れる人に自然とのつながりを体感させ、農園で過ごす時間をより特別なものにしています。

加えて、園内には訪問者が利用できるドッグランも用意。ワンちゃんと一緒に、のびのびと自然の中で過ごせる環境が整っています。

満足を持ち帰っていただくために

家業へ本格的に携わるようになってから、およそ27年。大古場さんは梅の栽培を軸に、加工品づくり、梅仕込み教室、百笑茶屋と、少しずつ「農業を体感できる場」としての幅を広げてきました。

「梅の味でも、食事の時間でも、話したひとことでも構わないので、何か一つ“満足”を持ち帰ってもらいたいなと思っています。そのためにもいろんなものを生かしながら、体の続く限りは続けていきたいですね」と大古場さん。受け継がれてきた思いを軸に、お百笑さんの穏やかな日々は、これからも続いていきます。

Photo:お百笑さん

まとめ

完熟南高梅のおいしさを味わったり、梅仕事に触れたりと、思い思いの時間を過ごせる「たのしい農家 お百笑さん」。すぐそばに広がる梅園や、のびのびと暮らす動物たちの姿から、自然の恵みや農業の営みを肌で感じることができます。若木町の山あいで、心ほどけるひとときを体感してみてください

インフォメーション

完熟南高梅から広がる農の営み「たのしい農家 お百笑さん」外観とか
店舗名たのしい農家 お百笑さん
代表大古場 美由紀
住所843-0152
佐賀県武雄市若木町大字本部 山中
電話番号0954-26-2044
営業時間10:00〜17:00、ランチは11:00〜15:00(なくなり次第終了)
定休日水曜、木曜
シーズン6月10日頃〜月末頃(梅教室)
駐車場15台
予約お電話のみで承ります。
備考農繁期(5月中旬〜7月中旬、12月中旬〜1月中旬)は百笑茶屋のみお休みします。
ホームページhttps://100smiles.saga.jp/
Instagramhttps://www.instagram.com/ohyakushosan/
Facebookhttps://www.facebook.com/100smiles.saga/

アクセスマップ

スタッフさんに聞いてみた!

予約は必須ですか?

大古場さん

梅仕込み教室は必須です。予約受付時期になり次第、ホームページ等でご案内をお出しします。百笑茶屋は予約必須ではありませんが、お早めのご予約がオススメです。

大古場さん

梅の収穫体験はできますか?

大古場さん

収穫体験は行っていませんが、梅仕込み教室や梅園そばの散策を通して、梅の栽培の様子を身近に感じていただけます。

大古場さん

加工品はどこで買えますか?

大古場さん

百笑茶屋で直売しているほか、ネットショップでもお買い求めいただけます。


大古場さん

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