箱を開けるのが楽しみな宅配野菜

緑色のなすや、紫キャベツ、赤色のビーツに、黄緑色のロマネスコなど箱に入っているのは色鮮やかで、ちょっと珍しい野菜の数々。これらは佐賀県吉野ヶ里町の「あいちゃん農園」で育ったイタリア野菜です。農家の森田さんは年間200品種の西洋野菜や希少な品種を育てているそうです。収穫した野菜は市場に出さず、10年以上前からインターネットを使い“通販“や”定期便“という形で全国に届けてきました。東京・大阪・福岡を中心にした一流レストランのシェフが、採れたての新鮮な野菜を心待ちにしています。”味が濃い”というのも人気の理由なのだそうです。「ありがたいことに、通販を始めた当初からお届けしている10年来のお客様もいらっしゃいます。珍しい野菜なのでお勧めの調理方法をみつけて楽しんでいただいています」と笑顔の森田さん。おうち時間が増えたことで、「変わった野菜を楽しみたい」「食卓を華やかにしたい」と、一般のご家庭からの注文も増えているそうです。

栽培のこだわり

自家製の植物由来の有機質肥料を使い、なるべく自然な環境の中、昔ながらの農法で育てている森田さん。品種が珍しいため、全て種から発芽させ、手間暇をかけて育てることにこだわりがあるそうです。これまで約500品種の栽培を試み、今は200品種を栽培しています。80aの畑からスタートしたそうですが、ネット注文が増えるとともに近所の方から「うちの農地も使ってほしい」と依頼を受け、畑は５ha、田んぼは２haに広がりました。「あいちゃん農園」は、中山間地域にあるため寒暖差があり、周辺にきれいな水源もあります。さらに水はけの良い土壌のため西洋野菜が良く育つのだといいます。野菜の声が聞こえるという森田さん。毎日、野菜の声に耳を傾け、心を込めて美味しい野菜を育てています。

大切に育てた野菜を、大切に調理する

野菜の美味しさを伝えたいと、森田さんはシェフとして厨房に立ちます。飲食店で働いていた経験を活かし、地元、吉野ヶ里町に「味彩さざんかあいちゃん農園」、佐賀市に「Farmers’ Kitchen ＆ Marche あいちゃん農園」、県内2カ所で農家レストランをオープン。「Farmers’ Kitchen ＆ Marche あいちゃん農園」では、調理師で野菜ソムリエでもある妻のかおりさんが料理の腕を振るいます。

その日採れた新鮮なお野菜をたっぷり使い、茹でたり、焼いたり、揚げたりと食材が一番美味しくなる調理法をチョイス。とりわけ人気の「お野菜カレー」（800円）は旬の野菜の素揚げや千切りキャベツ、酢漬けなど、いろいろな食感と味わいが楽しめるようトッピングされています。ルーは甘みと酸味が程よくきいて、スパイシーで濃厚な味わい。隠し味には「豚骨」が使用されているそうです。お米ももちろん自家製。甘くてもちもちの食感が特徴です。

この「お野菜カレー」には、毎日通う熱心なファンがいるそうです。「野菜の種類は、日々飽きさせません」と妻のかおりさん。毎日カレーを食べたくなるのは「野菜のおいしさを届けたい」という森田夫婦の想いが伝わるからなんですね。他にも「お野菜ちゃんぽん」や「シシリアンライス」など、野菜をたっぷり味わえるお食事やスムージー、ハーブティーなどホッとリラックスできるドリンクメニューもあります。ぜひ、味わってみてください。