二条大麦を使った麦茶
肥沃な佐賀平野が広がる佐賀県は、米・麦・大豆の生産が盛んであり、中でも、二条大麦の生産は全国で1、2位を競う産地です。
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そこに着目し商品化されたのが「イケマコの麦茶」。ビールや焼酎などのお酒の原料になることが多い二条大麦を使った珍しい麦茶として、ECサイトなどで全国にそのおいしさを発信しています。
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担い手が見つからない農地を引き継ぐ
株式会社イケマコは、佐賀市川副町で、米・麦・大豆・野菜の生産をし、生産物の加工や販売も手掛ける農業法人(農地所有適格法人)です。また、代表の池田大志さんは、先代から続く穀物商社「池田誠商店」で米穀集荷業にも携わっています。
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大志さんは20代の頃、取引先の高齢の農家の方から「小さな水田の手入れが大変。後継ぎもいなくて困っている。」という相談を受けました。いびつな形や圃場整備がされていない農地は、収量や労力の課題から、担い手が見つかりにくいそうです。
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「何とかできないだろうか?」考えた大志さんは、自ら受け手になることを決意。2007年、穀物商社「池田誠商店」とは別に、農業法人(農地所有適格法人)株式会社イケマコを設立し、小区画の水田を積極的に引き受け、生産を始めました。「もともと農家じゃないから、水田の大きさや圃場整備は逆に気にならないのかもしれません。最初からこうゆうものだと思ってやっています。」大志さんも社員の方も、常に“前向き”です。
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「うちの農地も引き受けてほしい」
コツコツと農作業に取り組む姿を見た地域の農家の方からは、次第に「自分の農地も引き受けてほしい」と相談されるようになりました。引き受けた農地は年々増え、初年度2.7haだった経営面積は2022年には36haに拡大しました。その取り組みは県内外から注目されることとなり、2020年「九州農政局ディスカバー農山漁村(むら)の宝アワード」、「農業農村整備優良地区コンクール」で農業振興部門・農村振興局長賞を受賞しました。
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育てたものをおいしく届ける
引き受けた農地では、微生物資材等を活用した、環境に優しい農業に取り組んでいます。
また、現場にITもいち早く導入しました。
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AIやドローンを駆使して育てた県産米「さがびより」を使った日本酒を開発。その他、佐賀が全国有数の“もち米”の産地であることに注目した「もち米あま酒」や、“黒豆”を加工した「黒豆グラッセ」など、「佐賀県産」の文字が表示された、オリジナル商品の開発を続けています。
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コミュニケーションを大切に
佐賀大学の敷地内(オプティム・ヘッドクォータービル1F)で「OPTiM CAFE(オプティムカフェ)」の運営もしています。主に県産の食材を使用したメニューを提供しています。スタッフが直接産地に出向き、食材の仕入れを行ったり、農家の方とコミュニケーションを図ることを大切にしています。特に商品開発やメニューの開発には“女性目線”を大切にしているそうです。
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持続可能な“農産業”を目指す
「農業は天候に左右されることがあるが、天候が悪くてもビジネスとして成り立つ産業にしたい」。そう話す大志さん。農業を「農産業」と呼び、持続可能な強い産業にしていくことを目指しています。現在IT企業と共同で「すじまきドローン播種(はしゅ)」の実証実験も進行中。農産物の生産にとどまらない“農産業”の挑戦は続きます。
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