にごみ
副菜
にごみとは?
九州北部では、収穫を感謝して奉納される秋祭りを“くんち”と呼んでいます。伊万里市には伊萬里神社の御神幸祭として「伊万里トンテントン」という“くんち”があり、「トン・テン・トン」と打ち鳴らす太鼓を合図に、「荒神輿」と「団車」が威勢よく組み合う壮烈な祭りが行われています。期間中に振舞われる“くんち料理”は鉢盛などが並ぶ祝い料理です。中でも伊万里のくんち料理に欠かせないのが “にごみ・赤飯(栗入り)・甘酒”です。肉や魚を使った豪勢な料理の箸休めに出されるもので、メイン料理を作る時に出る食材の“はし”を活かしてつくられています。豪華な料理の合間に出されるこの優しい味わいは人々に愛され、伊万里の代表的な郷土料理となっています。
材料(10人分)
- ゆでた小豆300g ※缶詰でもOK
- ゆでた金時豆150g ※缶詰でもOK(同じ量の甘納豆でも代用ができます)
- ごぼう 100g
- こんにゃく 200g (市販のこんにゃく1/2丁分)
- 蓮根 200g
- 栗 200g(皮をむいた状態で200g)
- 里芋 200g
- 天ぷら 1枚
- ちくわ 1本
- かまぼこ(なると) 1/2本
- だし汁 700cc
- 砂糖 140g
- 塩 10g
作り方
(1)ごぼうを乱切りに、こんにゃくは1cm角に、栗は半分に切り下茹でをする。
(2)蓮根は軽くゆでて皮をむき、細かく切る。
(3)里芋は皮をむき、ごぼうと同じ大きさに切り、下茹でをする。
(4)だし汁をつくる。(鍋に水を張り30分くらい漬けた後、中火にかけ、沸騰直前で昆布を取り出し“一番だし”を取る)
(5)だし汁に、ごぼう、蓮根、こんにゃくを入れて煮込む。
(6)ごぼうと蓮根が柔らかくなったら、栗を入れて煮込む。
(7)里芋を入れて煮込む。
(8)細かく刻んだ天ぷらとちくわを入れてさらに煮込む。
(9)里芋、栗、小豆、金時豆を入れる。
(10)ひと煮立ちさせ、砂糖を入れてなじませる。
(11)塩を入れて味を調え、煮汁がなくなるまで煮込む。(とろっとしてきたらOK)
(12)彩りに、細かく刻んだかまぼこ(なると)を加えて、ひと煮立ちさせる。
教えてくれた皆さん
「伊万里・西松浦農山漁村女性グループ研究会」のみなさん
30代~70代の地元農家の女性で構成されるグループです。40名弱のメンバーが集まり研修会などの活動をしています。郷土の食文化を後世に残すため、昔から各家庭に伝わってきたレシピを現代版にアレンジする試みをするメンバーもいます。現代の調理器具や手に入りやすい食材を代用し、郷土の味を未来に残す挑戦が始まっています。
みなさんから一言
赤飯、にごみ、甘酒、「甘み」は伊万里の“くんち”に欠かせない料理です。昔は嫁いだ先の姑さんが作る様子を見て学ぶのものだったので、各家庭ごとに作り方や味に個性があります。伊万里では、赤飯にも栗や甘い金時豆を入れて食べるという特徴もあります。「にごみ」の優しい甘さととろみを活かしたアレンジレシピ「にごみまんじゅう」もぜひ作ってみてくださいね。
アレンジレシピ
■材料(5個分)
- 薄力粉400g
- ベーキングパウダー15g
- 砂糖 大さじ2杯
- サラダオイル 大さじ2杯
- ぬるま湯 210ml
(1)薄力粉とベーキングパウダーをふるい、砂糖を入れ、ぬるま湯でこねて生地を作る。
(2)生地にオイルを入れてさらにこねる。
(3)「にごみ」を生地に包んで、20分蒸す。