みかんのような明るい笑顔の澤山家
有明海に面し、温暖な気候に恵まれた太良町は「みかん」の産地として有名です。その一番北の方にあるのが「果樹園みかんの木」。ここでは、みかんを愛してやまない澤山さん一家が丹精込めて数々のみかんを育てています。
昭和23年創業者の善吾さんが、裏山に3本のみかんの苗を植えたことから澤山家のみかん作りは始まりました。以来みかんを作り続け、今では約5,600本ものみかんの木が育つ7ヘクタールの農園になっています。現在の園主である直人さんは、佐賀大学の農学部園芸学科で、みかん研究の第一人者である岩政正男氏に師事し、善吾さん、父の直次さんからみかんづくりを受け継ぎました。そして平成30年には直人さんの娘(澤山家次女)岩永奈津実さんが就農。奈津実さんは管理栄養士の資格を生かし、みかんの加工品づくりも手がけています。みかんへの愛情は親から子へ、子から孫へ脈々と受け継がれ、歴史を紡いでいるのです。
ここにしかない味を生み出す育て方
「果樹園みかんの木」では、太幸・由良・寿太郎などの温州みかんに、ポンカン・はるか・しらぬひといった晩柑など約20品種のみかんとレモンを栽培。甘みと深い“コク”が特徴です。味の秘密は、こだわりの栽培方法にあります。魚粉を主としたオリジナルの有機質肥料を春・夏・秋の3回に分けて施し、さらに、魚由来のアミノ酸液肥を葉面散布。こうした肥料を使うことで、食べた後にフワッとした余韻が残る、まろやかでおいしいみかんが育つのだそうです。
草の力を活かすために、除草剤を使わない栽培にこだわっているところもポイント。また、植える場所も重要なのだそう。直人さんは「早生や中生は乾燥した土地が、晩柑は程良く湿った土地の方が持ち味を発揮できるんです」と細やかに分析し、品種の特性を最大限に生かせる最適な場所を選んでいます。品種ごとに購入できるのはもちろん、いろいろな品種をちょっとずつ楽しめる商品「カンキツ詰合せ」も人気。これをきっかけに、新たに特定の品種のファンになる人も多いのだそうです。さらに最近は、ふるさと納税の返礼品としても好評です。
さまざまな形でみかんを堪能
みかんの加工品もおすすめです。そのままでも十分おいしいクレメンティンと温州みかんを贅沢に使いブレンドした「甘熟(あまじゅく)みかんジュース」は、「果樹園みかんの木」が生み出す味を余すところなく堪能できます。砂糖・添加物は不使用。甘味と酸味のバランスが良く、みずみずしいのど越しで、思わず笑顔になるおいしさです。
令和3年1月からは、ジュースに加えてみかんの品種ごとに味わえるゼリーやジャムを開発。それぞれ果実をたっぷり使用し、みかん本来の味が口の中にジュワッと広がります。ジュース、ゼリー、ジャムのパッケージには、澤山家の4姉妹とみかんが可愛らしいイラストで描かれていて思わずほっこり。ご自宅用にはもちろん、贈り物にも大変喜ばれています。
太良のみかんを心のふるさとに
「お客様においしいみかんをお届けしたい」という思いで農園を手掛ける「果樹園みかんの木」では、季節ごとに農園の様子を伝える「果樹園だより」をお客様へ届けています。奈津実さんは「食べた人に“第二のふるさと”と思ってもらえるように」とほほ笑みます。
食べるとどこか懐かしく、じんわり心にしみる「果樹園みかんの木」のみかんを、ぜひ皆さんも味わってみませんか?