搾りたてで味わう完熟クレメンティン「田島柑橘園」

2023年03月29日 公開

体験施設飲食 太良町

太良のクレメンティン

有明海に面し、暖かな気候と豊かな自然に恵まれた佐賀県太良町は、県内有数の柑橘(みかん)の産地です。この町でスペイン原産の柑橘“クレメンティン”をいち早くとりいれたのが、合同会社田島柑橘園&加工所(以下、田島柑橘園と表記)です。

田島柑橘園は、クレメンティンをはじめとする様々な珍しい品種の柑橘(みかん)の生産だけではなく、オリジナルのみかんジュースや、ワイン、ジャムなどの加工品生産、販売に取り組んでいます。また、年間を通じて、生搾り体験・飲み比べ体験、サングリア作り体験等を実施し、柑橘(みかん)の美味しさをたくさんの人へ伝えています。

クレメンティンの香りと味に惚れて

日本で慣れ親しまれている柑橘(みかん)。栽培面積が拡大する中、昭和40年代の後半に生産過剰などの理由から市場価格が大暴落したことがありました。この時、田島柑橘園の代表である田島彰一さんは、太良町橘会で、佐賀県の果樹試験場の協力のもと外国の柑橘(みかん)を試作し、海外の柑橘(みかん)である“クレメンティン”と出会いました。

「50年前に、クレメンティンの味と香りに惚れたのがきっかけ。すべてがそこから始まりました。」田島さんは当時をそう振り返ります。クレメンティンは、ヨーロッパを原産とする柑橘(みかん)で、糖度が13~15度、芳醇な香りと、上品な甘さ、そして濃厚な味わいが特徴です。このおいしさを日本に広めるため、田島さんは栽培に挑戦しましたが、苗木の病気などの問題に直面することがありました。そうした中、様々な縁が繋がり、柑橘(みかん)の栽培が盛んなスペインで、柑橘研究所のパコさん(愛称)と会ったことで、突破の道筋を得て、国産の苗木でクレメンティンの生産に成功したそうです。
そして今、佐賀県太良町で生産されている“太良のクレメンティン”は、日本全国にファンがいる、人気の柑橘(みかん)となっています。

壁にはスペインの友人の写真が掲示されています。(パコさん:写真左から2人目)

搾りたてジュースで頂く、完熟クレメンティン

皮をむいてそのまま食べてもおいしいクレメンティンですが、田島柑橘園では生搾りをその場で味わえる体験ができます。
生搾り体験はまず、田島さんから柑橘(みかん)の種類や、クレメンティンの魅力について詳しく話を聞くことからスタート。そして、田島柑橘園のオリジナル・ジューサーと対面し、用意された3種類の柑橘(みかん)をひとつずつジューサーに入れ込みます。(取材時は、クレメンティン、温州みかん、ポンカン)味比べができるよう、この3種は、混ぜ合わせるのではなく、1種類ずつ搾ります。

<生搾り体験>

①完熟の柑橘(みかん)をジューサーに投入します。

②中央の刃で、柑橘(みかん)が半分にカットされます。

③ジューサーによって果実の25%だけが搾られます。

出来上がったのは、果実の25%だけを搾ってつくった贅沢なジュース。柑橘(みかん)の持つ本来の甘みとコクが引立ち、ゴクゴク飲みたくなるおいしさで、つぶつぶ感も残っています。「完熟を搾るからおいしい。素材がおいしいとジュースはおいしくなりますよ。」と田島さん。3種類を見比べるとそれぞれの柑橘(みかん)の個性を感じます。「子供のお客さんも、みんなたくさん飲んでくれますよ。私は農家なので、おいしいものを飲んでもらったり、食べてもらたりするのが一番うれしい。」田島さんは笑顔でそう話します。

果実だけを搾り、皮の部分は搾らないため、柑橘(みかん)の美味しさが際立つこのジューサー。田島さん夫婦がスペインを訪れた時に“どこのホテルでも、どこの家でも振舞われるジュースがおいしい!”ということに気が付き、とあるメーカーのジューサーにたどり着いたため、帰国後その販売店を調べ取り寄せたものだそうです。中でも、極小サイズと極大サイズの柑橘(みかん)用のジューサーは世界でひとつだけの特注品です。

田島柑橘園では瓶ジュースや冷凍ジュースも販売しており、生搾り体験の時に、瓶ジュースや冷凍ジュースの飲み比べも体験できます。

瓶ジュースは「セニョリータ陽子」という商品名のクレメンティン100%ジュースの他、10種類を展開。

冷凍ジュースも「果実をそのまま食べるより美味しい」と大変評判で、17種類を展開しています。田島柑橘園の独自の急速冷凍技術によって、溶かしながら飲んでもおいしさにムラがなく、その味は、数々の賞にも輝いています。
<冷凍ジュースの主な受賞歴> 
フードアクション・ニッポンアワード2019年(飲料部門唯一)受賞
第八回チーム・シェフ・コンクール審査員特別賞(TOP5)受賞 2019年
料理王国100選 2022年最優秀賞受賞

スペインの友人との歩み

田島さんは、海外の人との交流を通して常に柑橘(みかん)の農業の未来を考えてきました。スペインの柑橘研究所のパコさんとは、35年来の付き合いで、その間、何度も双方の国を行き来して交流を深め、柑橘(みかん)の談義に花を咲かせているそうです。また、田島さんは、韓国の若手農家と意見を交わすこともあります。「柑橘(みかん)の本場を見るのはおもしろいですよ。日本の若い人ももっとそういった現場を見に行ったほうがいい。」田島さんは、今後も積極的に海外に足を運び、時にはオンラインで海外の人と交流しながら、自身の技術をアップデートしていくつもりだと言います。

パコさんの20ha農園の写真も掲示されています。

「もったいない」の声から生まれたもの

田島柑橘園では、生搾り体験の時に“贅沢な搾り方”であるがゆえに、お客様から「残った果実や皮がもったいない」との声があったそうです。そこで生まれたのが水蒸気蒸留法で作ったオリジナルアロマオイル。柑橘(みかん)系を中心にネロリウォーターやベルガモットなど10種類以上の香りが展開されており、香り比べの体験ができます。田島さんが50年前に惚れ込んだ“クレメンティンの香り”もぜひチェックしてみてください。

まとめ

柑橘(みかん)の魅力を追求し、発信し続ける田島さんはまさに“柑橘(みかん)のレジェンド”。快活なお人柄で経験に基づいた話題は大変興味深いものばかり。“クレメンティンをおいしく味わってほしい”というシンプルで優しいメッセージが伝わってきます。田島さんが惚れ込んだクレメンティンの味と香りをぜひご堪能ください。

体験メニュー

生搾り&飲み比べ体験

生搾り&飲み比べ体験

田島柑橘園オリジナルの搾り機を使って、柑橘類を生搾りし、その場で、搾りたてのおいしさを味わえます。また10種類以上の冷凍・瓶ジュースの飲み比べもできます。
※年間を通じて体験可能。
※前日までの受付。(2名からOK)
※「じゃらん」からもお申込み受け付けております。

アロマ香り比べ体験

アロマ香り比べ体験

田島柑橘園でつくったアロマオイルの香り比べができます。柑橘系を中心にネロリウォーターやベルガモットもあります。10種類以上の香りが用意されています。(体験をするとお土産がもらえます)
※年間を通じて体験可能で、生搾り&飲み比べ体験と合わせて体験できます。
※前日までの受付。(2名からOK)
※「じゃらん」からもお申込み受け付けております。

サングリア作り体験

サングリア作り体験

田島柑橘園でつくったワインにブラッドオレンジやクレメンティンの冷凍ジュースを入れてつくるサングリアが楽しめます。
※年間を通じて体験可能で、生搾り&飲み比べ体験と合わせて体験できます。
※前日までの受付。(2名からOK)
※「じゃらん」からもお申込み受け付けております。

インフォメーション

搾りたてで味わう完熟クレメンティン「田島柑橘園」外観とか
名称合同会社田島柑橘園&加工所
住所〒849-1602 佐賀県藤津郡太良町多良4144
電話TEL 0954-67-0513
090-8224-5685(田島さん携帯)
※畑に出ている時はつながらない事があります。ご了承ください。
FAX0954-67-0555
定休日不定休
シーズン体験メニューは通年OK
代表代表社員 田島彰一さん
駐車場あり/8台 マイクロバスOK

アクセスマップ

スタッフさんに聞いてみた!

Q 田島柑橘園での栽培のこだわりについて教えてください。

代表社員 田島彰一さん

A農薬もできるだけ使用しない栽培で、体にも優しくておいしい柑橘(みかん)を生産しています。完熟したものだけを収穫するので味もまろやかで甘いものを提供しています。

代表社員 田島彰一さん

Q JR九州「ななつ星」で提供されているジュースについて教えてください。

代表社員 田島彰一さん

Aおかげさまで「セニョリータ陽子」がJR九州「ななつ星」の車内ドリンクとして採用されており、たくさんの皆様にその美味しさを楽しんでいただいております。「セニョリータ陽子」はすっきりとしたのどごしと、深い味わい、香りが自慢のクレメンティンジュースです。また、JR九州「或る列車」や「36+3」でも、他のジュースをお楽しみいただいております。

代表社員 田島彰一さん

Q 田島柑橘園の柑橘類・ジュースはどこで購入ができますか?

代表社員 田島彰一さん

A各商品は、佐賀県太良町にある道の駅「たらふく館」や、田島柑橘園のHPからご購入を頂くことができます。(Yahoo!ショッピングやふるさとチョイスにも出品しています)

代表社員 田島彰一さん

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