郷土料理

佐賀の郷土料理をご紹介します

およごし

副菜

およごし

およごしとは?

「和え物」を意味するおよごしは、毎年2月19日の「およごし祭り」でいただく料理です。太良町伊福地区では、1792年に地区の半分ほどを焼失させる大規模な火災が発生。当時は食べるものがなく、野草を湯がいて和えたものを食べて飢えをしのいでいたと伝わっています。この出来事を忘れないために、火災のあったその日、祭りを開くようになりました。現在の「およごし」は白菜、ほうれん草、人参、大根、里芋などの旬の野菜をたっぷり使用。伊福地区の豊かな実りをひと皿で堪能できます。ゆでて、水気を絞り取って、和える。シンプルな手順ながら、深みのある味わいです。

材料(7人分)

  • 大根 1/2本
  • 人参 1/2本
  • 里芋 4個
  • 白菜 1/4個
  • ほうれん草 4把
  • こんにゃく 大1枚(下ゆでしておく)
  • 豆腐 大2丁(下ゆでしておく)
  • ごま 大さじ3程度
  • 味噌 大さじ5〜6
  • 砂糖 大さじ3程度

※調味料はお好みで調整を。野菜の量が多いほど味噌は多めがおすすめです。

作り方

(1)大根と人参の皮をむき、それぞれ薄く細かく切る。

(2)(1)をそれぞれ別の鍋でやわらかくなるまでゆでる。ゆで上がったらザルにあげてネットへ。すりこぎなどでギュッとつぶすように押しながら、しっかりと水気を絞り取り、ボウルに入れる。

(3)里芋の皮をむき、箸でほぐして芯がなくなるまでゆでる。ゆで上がったらザルにあげ、水気を切ったらボウルに手で割り入れる。

(4)白菜とほうれん草をそれぞれゆでる。白菜はトロトロになるまでが目安。ゆで上がったら熱いうちにネットに入れてギュッと押し絞る。

(5)(4)をそれぞれネットから出し、細かく切ってボウルに加える。

(6)こんにゃくは細かく切ったらネットに入れ、しっかり絞ったらボウルに加える。

(7)豆腐はネットに入れ、しっかり絞る。

(8)ごまをサッと乾煎りして香りを引き出す。すりこぎに移してすったら味噌、砂糖、(7)も加えてすり混ぜる。

(9)ボウルに(8)を加えてしっかり和えたら完成。

教えてくれた方

太良町伊福地区(JAさがみどり地区 女性部 副部長、佐賀県農業士)
山口十美子(やまぐちとみこ)さん

伊福地区に嫁いできた山口さんは、同じ太良町内で育ったものの、ご実家の方では「およごし」に里芋を入れて作る習慣はないそう。伊福地区で暮らすようになってから地区のみんなと里芋入りの「およごし」を作るようになり、なめらかな食感など、ひと味違ったおいしさを楽しめるようになりました。その家ならではの味を味わえる「およごし祭り」では、基本の豆腐やこんにゃく、里芋はもちろん、各家庭が種々の野菜をたっぷり持ち寄って料理。家庭ごとに使う野菜が異なるほか、柚子胡椒といった調味料でのアレンジも多種多様です。

山口さんから一言

年に一度、伊福地区の4〜5班が集まり、班ごとに「およごし」を作ります。作る場所は班の人の自宅で、持ち回り制です。お祭り当日は女性が朝8時から集まって作り、午後は消防訓練を実施。夜には男性も交えて宴会を開きます。できた「およごし」を各家庭に持ち帰ると、ご年配の方は特に喜ばれるんです。ヘルシーでオリジナリティあふれる「およごし」を、ぜひ一度召し上がってみてください。

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