須古寿司
主食

須古寿司とは?
白石町須古地区に伝わる須古寿司は、地元でこよなく愛される伝統の押し寿司です。戦国時代、当時の領主が出陣の際に兵たちへふるまったことから生まれたと伝わっています。水田に映る月に見立てた錦糸卵がひときわ華やかで、風雅な趣を添えているのも魅力のひとつ。さらに紅生姜や青でんぶ、奈良漬、椎茸、かまぼこ、ムツゴロウなどの具材が彩り豊かに並び、見た目でも楽しませてくれます。餅などを入れる木製の箱「もろぶた」に詰められることが多く、節目のイベントや大勢が集まる場には欠かせません。世代を超え、今も故郷の味として大切に受け継がれています。
材料(7〜8人分)

- うるち米 5合
- もち米 0.5合
- 酢(酢飯用) 100cc
- 砂糖(酢飯用) 100g
- 塩(酢飯用) 17g
- 奈良漬 15g
- ごぼう 15g
- 干し椎茸 15g
- 刻み紅生姜 小さじ2
- 青でんぶ 小さじ2
- 卵 1個
- かまぼこ 板付の1/2
- ムツゴロウ 1/3匹
- むきエビ(小) 5匹
★具材の味付けに必要な調味料
- 塩
- 砂糖
- 醤油
- だし醤油
- みりん
作り方
(1)ごぼう、干し椎茸、ムツゴロウは事前に下ごしらえをする。
- ごぼう…ささがきにしてだし醤油とみりんで薄味に煮る。
- 干し椎茸…前日に戻しておき、醤油・砂糖・みりんで濃いめに煮て細かく刻む。
- ムツゴロウ…醤油とみりんで甘辛く、佃煮のように1時間煮る。臭みを感じないように、濃いめの味付けがおすすめ。
※調味料の量はお好みで調整してください。
ムツゴロウは煮た後半身に切り分け、さらに細かく切る。


(2)うるち米ともち米を炊く。炊き上がったら酢・砂糖・塩でつくった合わせ酢を混ぜ合わせて酢飯にする。もろぶたにならしながら押し詰め、3×5にヘラで切り分ける。



(3)卵に砂糖と塩を適量加え、甘めに味をととのえる。フライパンで薄焼きにしたら丸め、端から斜めに切って錦糸卵にする。



(4)かまぼこを板から外し、いちょう切りにする。



(5)むきエビを茹でて殻を取り、半分に切る。


(6)酢飯の上に細かく刻んだ奈良漬を1マスに2カケずつ、大小組み合わせて載せる。さらにごぼうを箸でひとつまみずつ、戻して煮た干し椎茸を1カケずつ載せる。



(7)(6)を覆うように錦糸卵を載せる。

(8)酢飯1マスずつに具材を載せて飾っていく。まずはかまぼこを載せ、その対角線上にエビまたはムツゴロウを載せる。エビは3×5に分けた酢飯の上下2列10マスに、希少なムツゴロウは真ん中の列5マスに載せる。



(9)次に刻み紅生姜を箸でひとつまみ載せる。その対角線上に青でんぶを箸でひとつまみ載せたら完成。




教えてくれた方
白石町須古地区(須古寿しかどや)
藤松 政晴(ふじまつ まさはる)さん、紅木(こうき)さん
大正5年から須古寿司を提供する「須古寿しかどや」は、須古地区で育った紅木さんと息子の政晴さんが切り盛りしています。仕出しを中心に町内のスーパーや道の駅で販売するほか、不定期でイベントにも出店。昭和61年発足の須古寿司振興協同組合の加盟店として、伝統の味を守りながら普及にも力を注いでいます。各家庭でも須古寿司が受け継がれており、家庭の数だけ多彩なアレンジが存在。地域に息づく誇りの味です。

藤松さんから一言
須古寿司を楽しみに帰省される方もいらっしゃり、思い出とともに受け継がれているのを感じます。蓋を開けたときの「わあっ!」という歓声も、その思い出のひとつではないでしょうか。お盆やお正月は特にご注文が多く、お店のもろぶたが足りなくなることもしばしば。多くの方に愛されている、私たちの自慢の味です。ご家庭でつくる際は、旬の食材を使ったアレンジも楽しんでみてください。