つがにのがね飯
主菜
つがにのがね飯とは?
唐津市浜玉七山の玉島川は最古の歌集「万葉集」にも歌われました。その玉島川で獲れる“川がに”は地元で「つがに」と呼ばれており、昔は手作りした「もどらず」という籠で作った仕掛けで獲っていたそうです。「つがに」は、産卵のために川を下ってくる秋から冬頃(9~12月)がおいしい時季です。「つがに」を米と一緒に炊き込んだ「つがにのがね飯(方言での呼名)」は、「つがに」の独自の風味を存分に味わうことができる一品で、冠婚葬祭など人が集まる時に食べられてきました。地元では秋を告げる風物詩として、今も愛され続けています。
作り方
(1)手袋を着用し、つがにをタワシで洗う。
(2)足の先をハサミで切り落とす。
※かには「金っ気を嫌う」といって、かにの味が落ちると言われていることから、かにをさばく時は“包丁”は使わないそうです。
(3)お腹の部分を開き、甲羅とお腹を分ける。
(4)エラを取る。
<土鍋で炊く場合>
(1)土鍋に水に浸したお米と、水を入れる。
(2)さばいたつがにを入れる。
(3)みりん、薄口しょうゆを入れる。
(4)蓋をして火にかける。(中火8分、弱火5~6分
(5)蒸気が出てきたら15分程蒸す。
(6)蓋を開け、混ぜて完成。
<炊飯器で炊く場合>
(1)お米を洗って水に浸し、その上にさばいたつがにを入れる。
(2)薄口しょうゆとみりんを入れて、軽くかき混ぜ、炊飯ボタンを押す。
(カニはお米の上に入れる。設定は“白米の炊飯”でOK)
(3)蓋をあけて、混ぜて完成。
教えてくれた方
佐賀県農業士会監事 ふるさと先生 JAからつ女性部 大谷典子さん
「ふるさと先生」として、地元の小学生や保育園の保護者を対象にした料理教室を開き、郷土料理の伝承と地産の特産品を使った料理やスイーツ、パンづくりなどを若い世代に伝える活動をされています。近年では、高校生と一緒に“映える”郷土料理の開発や、地域の特産品である、みかんとけいらん(菓子)を組み合わせた新しい菓子を考案するなど、郷土の味を進化させる試みも行っています。
大谷さんから一言
しいたけなどの具材をいれてもよいですが、「つがに」と調味料だけを使ってシンプルに仕上げると、「つがに」独自の風味が深く楽しめます。甲羅についたご飯には、卵が絡んで特に美味しいです。