つんきいだご汁
副菜
つんきいだご汁とは?
日本全国にご当地だご汁がある中で私たちの地元では、鯨を使っただご汁が主流です。「つんきい」とは「ちぎる」という意味で、つんきるためには少し寝かしますが、今回はスプーンですくって鍋に入れます。小さい頃から「ご飯のなかないば(がないなら)、だご汁ばしていっちょきんしゃい(だご汁を作っておきなさい)」と言われ、ご飯が少し足りないときなどによく食べていました。佐賀は小麦の生産県ですので、お米の代わりとして石臼で粉をひいて補食として食べていたのだと思います。鯨を使う文化があるのは、唐津や呼子で捕鯨が盛んだったことに由来しているのでしょう。昔はお肉が高くて鯨が手頃だったので、鯨を使っていました。しかし、今の時代はあまり鯨を食べないため、鶏肉を使うようになってきました。それぞれの家庭の味があるのも特徴です。時代に合わせたアレンジで楽しんでください。
材料(4人分)
- 鶏肉 150g (鯨の場合:皮鯨150g)
- 大根 90g
- 人参 75g
- ゴボウ 60g
- 干し椎茸 中2枚
- 小葱 適量
- 小麦粉 150g(150ccの水で溶く)
- しょう油 大さじ1
- 塩 小さじ1
- 水 1.2L
- 椎茸の戻し汁 100cc
作り方
(1)大根と人参は3mm位のいちょう切りに、ゴボウはささがきにする。
(灰が黒い時に水を掛けるのがポイントです。灰色になってからでは、あくにならず、こんにゃくが上手に固まらないことがあります)
(2)椎茸は水で戻して、石づきを取って薄切りにする。
(3)鶏肉を2cm角位に切る。(鯨の場合は幅1cm、長さ5cm程度に切る)
(4)鍋に水と椎茸の戻し汁を入れ、(1)~(3)を全て入れ火にかける。
(5)あくを取りながら煮こみ、野菜が煮えたらしょう油と塩を入れ、味を調える。※鯨を使う場合は鯨に塩味がついているので味見をしてから調節する。
(6)小麦粉に水を加えて溶いておく。
(ぬるま湯で溶くと柔らかくなる。煮汁で溶いてもおいしいが、熱湯だと煮えてしまうので冷ましてから加える)
(7)(5)の汁が沸騰した状態で、(6)を1さじずつすくい入れる。
(8)だごが煮えると浮いてくるので、全てのだごが浮いてきたら完成。
(9)器に注ぎ、小口切りにした小葱を散らす。
教えてくれた方
JAさが みどり地区女性部 鹿島地区支部「乙女会」のみなさん
以前、JAさが みどり地区女性部の役員として活動していたメンバーが集まってできたグループです。「乙女会」という名前はワケギの品種「さが乙女」に由来しています。月に2回、メンバー8人が集まって手芸や料理を楽しんでいます。年齢も近いのでとっても仲が良いです。経験を活かして女性部を対象にパン教室を開いたり、子どもを対象とした食の教室で昔ながらのおやつを作ったりもしています。
みなさんから一言
今回は冬用のレシピですが、旬の野菜をたくさん入れて作ります。夏であればナス、玉ねぎ、かぼちゃを使ってもおいしいです。季節の野菜を使うと良いですよ。佐賀県産の小麦粉でだごを作ると、もちもちっとしてさらにおいしくなりますので、ぜひ使ってみてください。